Ⅱ 概念フレームワーク
(概念フレームワーク)
財務報告はさまざまな役割を果たしているが、ここでは、その目的が、投資家による企業成果の予測と企業価値の評価に役立つような、企業の財務状況の開示にあると考える。自己の責任で将来を予測し投資の判断をする人々のために、企業の投資のポジション(ストック)とその成果(フロー)が開示されるとみるのである。
(概念フレームワーク)
3.貸借対照表と損益計算書が投資のポジションと成果を開示するという役割を担っているため、それぞれの構成要素は、これらの役割を果たすものに限られる。構成要素の定義は、財務報告の目的と、財務諸表の役割に適合するかぎりで意味を持つのであり、そうした役割を果たさないものは、たとえ以下の各定義を充足しても、財務諸表の構成要素とはならない。
1 投資家はどのような情報を必要としているか述べなさい。
投資家は、企業が資金をどのように投資し、実際にどれだけの成果をあげているかについての情報を必要としている。
2 資産の定義を述べなさい。
資産とは、過去の取引または事象の結果として、報告主体が支配している経済的資源をいう。
3 負債の定義を述べなさい。
負債とは、過去の取引または事象の結果として、報告主体が支配している経済的資源を放棄もしくは引き渡す義務、またはその同等物をいう。